そもそも”花火”の空撮は難しい
花火の空撮が難しい理由その1「夜間の飛行」
花火の撮影ですからとうぜん飛行は夜間になります。
夜間飛行は基本的に許可が必要なのでまずその許可を受けてからの話なのですが・・・
コンパスキャリブレーション
プロポと機体を接続すると、「コンパスキャリブレーション」を頻発しました。
暗くてビジョンセンサーがうまく動作できないと発生するエラーで、このエラーが出るとドローンがGPSの機能を上手く使えません。
視認が難しい夜間での飛行ではGPSは必須。絶対にエラーが出たままの飛行はできませんよね。
エラーが出てもキャリブレーションを実施すればすぐに飛行できるし、そんなに難しい作業ではない(機体を違う方向へ2回360度回す)のですが、花火の撮影など決められた時間に飛行しなければならない場合はかなり焦ります。
このようにキャリブレーションを要求される場面でも焦らないためには時間を持って飛行させるということです。
花火の打ち上げ時間が決まっているなら、少なくとも10分前には狙ったポジションにホバリングさせるぐらいの余裕が必要です。
ドローンの向きが判らない
GPSが機能していれば地図上に飛行状態が表示されるのでどっちに向いているか大まかには判るのですが、花火を空撮する場合、光っているのが一瞬なので”左だ!”と思っても”どの程度左なのか”が判り難いのです。
これを避けるには花火からドローンを離すことです。
十分に距離をとっていれば花火は小さく写ってしまいますが、画角から外れることはありません。
方向が判ったらそちらへドローンを向けて徐々に寄っていけば見失うことはないでしょう。
花火にドローンを近づける場合は、あらかじめ花火の直径を調べておいて、近づきすぎないようにすることも大事です。
また、風が強い場合は花火が流されますので、風上からの撮影になります。
強い風の中横から撮ってしまうと打ち上げから横方向に流れて、爆発したときには画角から外れていた・・なんてことになってしまいます。
風上から撮影すれば、打ち上げから高度を上げるにつれ遠ざかってきますが、画角から外れることはありません。
花火の撮影では、爆発して光ったときに照らされるバックの風景も大事なのですが、風には逆らえませんのでそこは断念しましょう。
花火の空撮が難しい理由その2:花火の動画撮影が難しい
当然ですが花火は光らないと撮影できないし、その光っている時間ってすごく短いので画面で見ると突然現れて一瞬で消えてしまうイメージです。
それで困ったことがいろいろあるのですが・・・
露出を合わせるのが難しい
この理由は2つあって、その一つは前述のように一瞬しか光らないのでその瞬間に露出を合わせるのは神業というところです。
また、露出だけでなくホワイトバランスやシャッタースピードなど、調整しなければいけない部分もたくさんあります。
コントラストが高すぎでオート撮影ができない
普通前述のような露出の調整は”オート”に設定しておけば機械が一瞬にやってくれます。
なので、いかに花火が光っている間が短くても一瞬にしてオートなら露出が合うのだろうと思うのですが、これもうまくいきません。
花火は夜間、当然真っ暗中を打ちあげるので、ドローンは花火が上がる直前というのは真っ暗な風景を頑張って明るく撮影しようとするのです。
自動的に感度を上げたり露出を限界に開放したりという動作になります。
そこに花火が炸裂すると強烈な光がカメラに飛び込んでくることになり当然露出オーバーで真っ白な絵にしかなりません。
なので、オート設定では花火は撮影できないんです。
これに対処するには、露出やホワイトバランスについてはマニュアル設定にして、あらかじめ”これくらいかな?”みたいな設定に固定しておきます。
”これぐらいかな”については、便利なもので、「花火動画撮影」などで検索するといろいろとアドバイスが出てくるので参考にしましょう。
個人的には、
- ISO:800
- ホワイトバランス:4000
- f値:開放
- シャッタースピード:1/50
- フォーカス:マニュアル(MAVIC AIR2の場合パンフォーカス)*パンフォーカスは全体にピントが合う
を中心にして微調整かなと思ってます。
風が強い場合
風が強い日の夜間飛行は最悪です。
姿勢制御もできいないし、流されても目視できないので追いかけることも難しいです。
LEDライトを点灯させれば比較的目視しやすく着陸の手助けにはなるのですが、やはり強風には勝てません。
どの程度の風で飛行ができなくなるのか機種にはよりますが、やはり夜間は避けるべきではないかと思います。